兄弟と共

 「あはは! タバキはこないだ、おれのことを無礼にも裸のヒトの仔と呼んで、草の根を堀るなといったんだ。だからあいつのしっぽをつかんで、行儀を教えるために、椰子の樹に二回ばかり打ちつけてやったよ」

 「愚かなことをしたな。タバキはでたらめの陰口を並べるやつだが、お前にかかわることを話していたかもしれないんだぞ。

 小さな兄弟、まなこをしっかり開け。シーラ・カーンはジャングルの中では、あえてお前を殺すことはしない。お前も知ってのとおり、アケーラはひどく老いている。まもなく雄鹿を狩りそこねて、かしらの座を追われる日が来るだろう。最初に議会につれてこられたとき、お前を認めた狼の多くもまた年老いている。シーラ・カーンが吹き込んだせいで、若い狼は、群れにはヒトの仔のための場所はないと思っている。お前はもうすぐ一人前のヒトだ」

 「その、兄弟と共に駆けることができない、ヒトというのはいったい何なんだ?」モウグリは言った。「おれはジャングルで生まれた。ジャングルの掟に従ってきたし、おれがとげを足から抜いてやらなかった狼は一頭もいない。もちろん、狼たちはおれの兄弟だ!」

 バギーラは体を伸ばして、半分目を閉じた。「弟よ、おれのあごの下を触ってみろ」

 モウグリは力強い褐色の手を上げて、バギーラのつやつやした毛の下にうねる巨大な筋肉を隠した、絹のように滑らかなあごのすぐ下に、小さい毛がない場所を探りあてた。


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